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【令和6年改正育児・介護休業法Q&A解説】子育て世代の柔軟な働き方実現に向けて

厚生労働省から「令和6年改正育児・介護休業法に関するQ&A」が公表されました。特に重要な内容についてご説明いたします。

Q&Aの概要

今回公表されたQ&Aは、以下の4項目について計62の質問への回答を収録しています。

  • 全体に関する事項
  • 子の年齢に応じた柔軟な働き方を実現するための措置の拡充
  • 育児休業等の取得状況の公表義務の拡大
  • 介護離職防止のための仕事と介護の両立支援制度の強化

柔軟な働き方の実現に向けて

特に注目すべきは、「子の年齢に応じた柔軟な働き方を実現するための措置の拡充」に関する部分です。多くの企業で悩まれているこのテーマについて、具体的な指針が示されています。

例えば、「すでに2つ以上の制度を導入している場合の新たな対応」について、多くの経営者の方から質問が寄せられています。Q&Aでは、既存の制度を「柔軟な働き方を実現するための措置」として活用できることを明確にしています。

ここで重要なのは、既存制度をそのまま継続するだけでは不十分という点です。職場のニーズを適切に把握するため、施行日の令和7年10月1日より前に、過半数労働組合等からの聴取が必要とされています。

始業・終業時刻の変更に関する具体的な取り扱い

多くの企業で導入を検討されている「始業終業時刻の変更」については、具体的な時間数の制限は設けられていないものの、保育所等への送迎に配慮した制度設計が求められています。形式的な制度導入ではなく、実際に従業員が利用しやすい仕組みづくりが重要となります。

その他の支援措置

養育両立支援休暇に関する具体的な運用方法や、福利厚生サービスとしてのベビーシッター利用補助の取り扱いなど、実務に直結する質問への回答も示されています。

まとめ

今回の内容を踏まえ、以下について検討してみましょう。

  • まず既存の制度について、法改正の趣旨に沿った内容となっているか確認が必要です。特に、実際のニーズと制度が合致しているかの確認が重要です。
  • 労働組合や従業員代表からの意見聴取を計画的に実施することも重要です。得られた情報は、より効果的な制度設計につながります。
  • 新制度の導入を検討される場合は課題を事前に洗い出し、スムーズな実施につなげることが重要です。

法改正への対応は、単なる制度整備にとどまらず、働きやすい職場づくりの絶好の機会です。自社に合った制度設計を進めていきましょう。

〈参考〉【厚生労働省「令和6年改正育児・介護休業法に関するQ&A(令和6年 11 月 1 日時点)】
https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/001325224.pdf